【Power Platform】Exam:PL-600 Microsoft 認定資格:Power Platform Solution Architect Expert の概要・試験対策について

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はじめに

こんにちわ、西村です。以前にPower Platform のMicrosoft認定資格のPL-600 を受け無事一発合格しました。PL-900、PL-100、Pl-200、PL-400 を保持、BIとRPA以外は制覇しております。
認定試験の対策として勉強方法や「Open Book」(試験中にLearnやDocsが見れる)の活用などご紹介いたします。
PL-600をベースにしていますが他の試験でも試験内容以外は大体同じなので、認定試験のご参考にしていただけるかと思います。

Microsoft 認定資格について

Power Platformの認定資格については以下ご参考

一覧にまとめております。以下おおよその難易度順で試験に合格すると対応する認定資格がもらえます。

試験名 認定資格 難易度 備考
1 PL-900 Microsoft Power Platform Fundamentals 易しい

Power Platform全般
初心者でもOK

2 PL-100 Microsoft Power Platform App Maker 普通

Power Appsの各アプリ作成者

※廃止予定

3 PL-200 Microsoft Power Platform Functional Consultant 普通 PowerPlatformの機能コンサルタント
4 PL-300 Microsoft Power BI Data Analyst 普通 Power BIに知見があるデータアナリスト
5 PL-400 Microsoft Power Platform Developer 難しい

プロ開発者の知識が必要

6 PL-500 Microsoft Power Automate RPA Developer Associate

普通

Power Automateに知見がある開発者
7 PL-600 Microsoft Power Platform Solution Architect 難しい
リューションデリバリー能力と知識が求められる

※事前にPL-200 またはPL-400が必要

PL-600 Power Platform Solution Architect Expert について

PL-600はPower Platformの認定試験で最上位にあたります。
合格すると認定資格Power Platform Solution Architect Expert がもらえます。日本語でソリューションアーキテクト エキスパートです。前にPL-200またはPL-400 のどちらかを取得していないと受けれません。

Microsoft 認定: Power Platform ソリューション アーキテクト エキスパート – Certifications | Microsoft Learn

申込みについて

試験の概要や申込みのページは以下です。
試験 PL-600: Microsoft Power Platform Solution Architect – Certifications | Microsoft Learn
ここからお勉強や試験申し込みなど各種リンクしています。

試験のスケジュール設定に進んでいくと、ピアソンVUE(Pearson VUE)の画面となり、
テストセンターでの現地受験またはオンライン受験を選択して受けることが出来ます。

試験概要

学習ガイドで試験内容の把握

PL-600: Microsoft Power Platform Solution Architect の学習ガイド | Microsoft Learn
で試験の範囲を確認できます。以下のPL‐600 試験ページからもリンクしています。

ドキュメントの目的で試験の範囲などが載っています。試験を受けるタイミングで内容が切り替わる場合があります。切り替わりの前後の内容および差異なども載せてくれています。

スキルの概要で大枠の内容と割合い、以降もう少し細かい内容が載っています。サイドリンクから他の試験の学習ガイドも見れます。

試験内容の概要

以下が大項目です。

  • ソリューション構想および要件分析を実行する (35 – 40%)

  • ソリューションを設計する (40 – 45%)

  • ソリューションを実装する (15 – 20%)

この中でそれぞれソリューションアーキテクトとして必要な知識などが問題になります。
基本的には全般に知見があり、各フェーズでのプロジェクトを進める能力も問われます。また、Dynamicsが持っている機能やモデル駆動型アプリ、他システムでのカスタム実装などの知見などの問題も多く出題されます。基本的なDataverseの設計、機能、実装自のALM関連の知見など必要となります。特に構想、要件分析などの点ではLearnを熟読し考え方などをしっかり把握しておくのがよいでしょう。

試験対策:私が実践した勉強法

実務経験があったため、特別な勉強は不要でしたが、以下の方法で効率よく準備しました。

✅ Learnのラーニングパスを一通り実施

試験ページ下部にあるラーニングパスを活用。知識が薄い部分を重点的に読み、10〜15時間ほどで完了しました。

✅ 無料の練習用評価を活用

50問の模擬テストが無料で受けられます。雰囲気を掴むには最適ですが、実際の試験とは形式も難易度も異なるため、過信は禁物です。

✅ 無料の受験対策セミナー(オンデマンド)

Microsoft公式の動画講座(5〜6時間)を視聴。PDF資料もダウンロード可能で、理解が深まります。以下の試験に対応しています:

✅ 有料の過去問題集

日本語対応の問題集も市販されています。1万円以下で購入可能。完全に覚えれば効果は高いですが、実務への応用は限定的かもしれません。

 

■ PL-600の試験ページの下に出てくるラーニングパス (Learn)を一通り実施する

把握しているという部分はある程度流し読みして、ソリューション アーキテクトとしての考え方や知見が薄めの部分を中心に読んでいました。ご自身の経験や知見に応じて、軽く読む、深く読む部分など調整するのが良いと思います。通常で10数時間ほどでしょうか。

■無料の練習用評価を受ける(過信は禁物)

Learn を一通りやったらこの無料の練習用評価をやりました。1度で50問出て結果を最後に見れます。他の認定試験にも同様のものがあります。

練習用評価の説明ページにも明記されていますが、問題の雰囲気を味わえる程度です。
実際のテスト形式ではもう少し複雑な様式だったりもしますし難易度も高めです。

なので、これを繰り返しやって満点取れてもそのままの問題はまず出ないので過信は禁物です。
メリットは回答時に正解と解説を見れるので、間違えた内容について正解と関連ドキュメントを見て把握することが出来ます。

その他にもおすすめの学習方法があるので以下ご紹介します。

■ 無料の受験対策セミナー (オンデマンド)

Microsoft公式でやっている、無料のオンライン(オンデマンド)のビデオ講座があります。
合わせてPDF資料もダウンロードしてみることが出来ます。講座は大体5、6時間でしょうか。
1.5倍速などで見ればさらに時短可能です。試験対策講座では講師の方が概要やポイントなども交えて動画で教えてくれるので、通常の文字ベースの学習よりもはるかに頭に入ってきやすいと思います。そのままに近い内容が出たりもします。

PL-600 受験対策セミナー ~ Microsoft Power Platform Solution Architect ~ (2022年10月)

PL-400 受験対策セミナー ~ Microsoft Power Platform Developer ~ (2022年10月)

PL-200 受験対策セミナー ~ Microsoft Power Platform Functional Consultant~ (2021年5月)

PL-900 : Microsoft Power Platform Fundamentals 試験対策

■ 過去問題集をやる

試験対策でググると試験の問題集が色々出てきます。完全に覚えれば一番有効なのかもしれませんが、実業務に生かすという点ではおすすめはできません。

 

 

試験形式と注意点

PL-600の試験は約45問、回答時間は100分。合格ラインは700点(1000点満点)です。
特に注意すべきは「ケーススタディ形式」の設問。8問ほどのまとまりで出題され、見直し不可。時間配分に気をつけましょう。
また、試験文が長めなので、時間が足りなくなる傾向があります。迷った問題は一旦保留し、後で見直すのが得策です。

Microsoftの認定試験を始めてやられる方は、先に「試験サンドボックス」でどんな試験様式なのかを把握しておいた方がよいです。スタートから10問の出てくる可能性のある問題形式を教えてくれます。また、操作感などのイメージもつかめます。

試験サンドボックス

試験会場 vs オンライン受験

オンライン受験は便利ですが、準備がやや面倒。部屋の片付け、ツールのインストール、試験官とのやり取りなどが必要です。
私は試験会場での受験を選びました。設備の違い(ディスプレイのサイズや解像度)もあるので、事前に確認しておくと安心です。

最後の切り札「Open Book」機能とは?

2023年9月から、Microsoft認定試験では「Open Book」機能が使えるようになりました。試験中にLearnやDocsを検索できるという、画期的な仕組みです。
ただし、万能ではありません。検索に時間を使いすぎると他の問題に影響しますし、答えが見つからないこともあります。事前に「どこに何があるか」を把握しておくことが重要です。
この機能は、困ったときの心の支えにもなります。うまく使えば、50〜100点分くらいの効果はあるかもしれません。事前に以下の記事や動画を見て、どのように使うのかイメージしておいた方がよいです。

この機能の説明記事:
Introducing a new resource for all role-based Microsoft Certification exams – Microsoft Community Hub

おわりに

PL-600を中心に、Microsoft認定試験の概要と対策をご紹介しました。これから受験を考えている方にとって、少しでも参考になれば幸いです。試験は知識だけでなく、実務に近い思考力も問われます。ぜひ、楽しみながらチャレンジしてみてください!それではまた。

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導入事例


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今後も自社で開発したお役立ちアプリや技術支援を行ったアプリのご紹介など、定期的に更新を行ってまいります。

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