【ワンランク上のPower Apps 開発】月度経費精算アプリを作成・運用

Power Apps 技術ブログ

月度経費精算アプリ

はじめに

こんにちは。西村です。
Power Appsでの経費申請アプリは良くサンプルを見かけます。実際Power Appsを使えば、開発者でなくてもローコードで実装して、たった数時間でアプリが出来あがります。すごいですね!
しかしながら実際に運用していくにあたり、さまざまな課題や要件が出てきます。たとえば、

  • 毎回申請ではなく一定のタイミングで行いたい。(一時保存しておき月末にまとめて申請したい)
  • 人、月度の単位でデータを管理し月度に紐づけたデータ構造としたい(複数の経費データを持たせる)
  • 管理者は一覧画面で検索し、蓄積したデータを集計して利活用したい。

上記のような課題・要件に対応したアプリを開発するには、従来のWebアプリ開発などで培ったノウハウを活かした設計・実装を行うことで実現できます。ローコードでありながら、ワンランク上の、より実用的なアプリを作成する事ができます。

今回、自社で開発しすでに半年ほど実際に運用しております「月度経費精算アプリ」をご紹介いたします。

サンプル動画

概要図

ポイント

  • 通常のM365ライセンス範囲で利用できる機能のみで実現(追加ライセンス費用は不要)
  • Teams上で利用できるデータベース「DataVerse for Teams」を利用
  • 月度単位で申請できるように月度単位のデータに経費ごとのデータを複数紐づけ出来る構成とする
  • 経費データは定期代・交通費・その他経費のカテゴリを用意。ダイアログ上で追加・更新できる
  • 月末に申請、管理者が承認。それぞれの通知をTeamsチャネルに投稿する

今回はSharePointリストと同様に通常のM365ライセンス範囲内で利用できる 「DataVerse for Teams」を使い構築しました。Teams上でアプリ開発が出来、専用のデータベースを利用できます。
※SharePointリストを使っても同様の仕組みは構築できますが、今回はこちらで作成してみました。

月度経費申請(申請者用画面)

申請者がTeams上でアプリを開くと月度ごとの申請画面が表示されます。自分のデータのみ表示されます。
定期代・交通費・その他経費を追加、更新するとダイアログ上で月度に紐づく経費データとして保持されます。
登録したデータはアプリ内に一時保持し、各経費のデータテーブルで表示されます。

ダイアログ上で定期代・交通費・その他経費に応じて表示項目を切り替えます。
日付や金額を入力、データごとに添付ファイルを追加する事が出来ます。
また、データを複製してサクサク追加できるようにコピー機能を実装しています。

「下書き保存」または「承認申請」をクリックした際に実際にデータベース(DataVerse for Teams)に
月度データと共に紐づく経費データとして保存されます。「承認申請」の場合は承認者(管理者)へ承認依頼のTeamsチャットが投稿され、同時に管理者側の画面に承認が必要なデータとして表示されます。

月度経費一覧・承認画面(管理者用)

管理者用画面は工数短縮のため、同様の画面構成で作成しています。
こちらでは全従業員の申請データが一覧およびダイアログで確認することが出来、承認・却下を行えます。

検索エリアでは年度、月度、ステータス、従業員での複合的なフィルター表示が可能です。

内容を確認し「承認」ボタンをクリックすると、ステータスは承認済みとなり承認処理が完了します。
あわせてTeamsチャットへ承認した旨のメッセージが投稿されます。

拡張性

現在は未実装ですが、管理機能として月度やユーザーごとのデータ集計機能などの拡張が可能です。
経費データはすべてTeamsごとの環境 DataVerse for Teamsへ保持されているため、その後の分析・改善などに有効活用することが出来ます。

おわりに

Power Pratfromを活用すれば、あっという間に業務システムが出来上がりますが、さらに実運用に耐えうる設計・実装を行うことで、まるでWebアプリのような、ワンランク上のアプリを作ることが出来ます。
またユーザーの操作しやすさを考慮することも重要です。今回は、待機時はローディングを表示、同画面でダイアログ上で更新できる。同様のデータをコピー追加できる。その他ユーザー名や月度の自動設定など、各種機能を盛り込み、より使いやすさをアップしています。
今回のようなアプリは一般利用者の方が最初から作るにはさまざまな壁があるため、ノウハウを持った開発者でないと短期間でスムーズに構築することは難しいと思います。

本ブログに興味を持たれましたら、技術支援や同様のカスタマイズ開発など、各種ご支援させていただきますので、お気軽に「お問い合わせフォーム」よりお問い合わせください。
今後も自社で開発したお役立ちアプリや技術支援を行ったアプリのご紹介など、定期的に更新を行っていきます。

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